「Office 365」向けに「全員に返信」メールストームをブロックする新機能の提供を開始しました。これは「Office 365」ユーザーが5000人以上に返信しようとする「全員に返信」メールストームを検出しブロックする対策機能として開発されました。
Microsoftは米現地時間5月8日、「Office 365」向けに5000人以上に返信しようとする「Reply-All email storms(全員に返信メールストーム)」を検出しブロックする新機能「Reply All Storm Protection」の提供を開始しました。
この新機能は昨年の「Microsoft Ignite 2019」で発表されたもので、社員数の多い企業において「Office 365」ユーザーが全社員宛に「全員に返信」メールで返信することでサーバーに膨大なメール処理負荷がかかることを防止する機能です。
多くの社員がいる企業において全社員に送られたメールに対して「全員に返信」オプションで返信を行い大量のメールを送信する状況のことを「メールストーム」と言います。
このメールストームが起こった場合、サーバーにメール処理の大きな負荷がかかりメールサーバーの速度低下が起こったりクラッシュが起こったりし、最悪の場合企業のサーバーが落ちてしまう可能性もあります。
普段社内で少人数のチーム内でメールのやりとりを共有するために「全員に返信」を利用していると、もしかすると全社員向けのメールに対してもついつい「全員に返信」ボタンを押して送信してしまう可能性はあります。
実際にMicrosoftでも5万2000人以上の社員が関連して「全員に返信」メールストームを起こし社内通信に数時間の障害が発生した経験が2回あります。
そこでMicrosoftは「Microsoft Ignite 2019」において、「Office 365」のメールサーバーで「全員に返信」メールストームの対策機能の開発に取り組むことを発表していました。
Microsoftでは、米現地時間5月8日世界中の「Office 365」ユーザーを対象に、「全員に返信」メールストームを検出しブロックする新機能「Reply All Storm Protection」の提供を開始しています。
Microsoftによると、この機能で5000人以上の受信者がいるユーザーが過去1時間以内に10件を超える「全員に返信」を生成した全てのメールスレッドをブロックすると言います。
この機能が有効になると、メールスレッド内の全ての返信を4時間ブロックし、サーバーがメールに優先順位を付けることで、「全員に返信」メールストームを防止すると言います。
そしてこの「Reply All Storm Protection」機能によってメールが配信されなかったメールの送信者に対しては、「NDR(non-delivery report、不達レポート)」が表示される仕組みとなっています。
Microsoftは今後もこの機能の開発に取り組んでいくとして、さらに機能を調整、強化していく予定です。