2019年08月31日更新
新しいExcel関数「XLOOKUP」発表!Office Insidersでテスト可能!
Microsoftは新しいExcel関数「XLOOKUP」を発表しました。新しいExcel関数「XLOOKUP」は「VLOOKUP」や「HLOOKUP」の後継となる関数で、現在「Office Insiders」でテスト可能となっています。
Microsoft、新しいExcel関数「XLOOKUP」発表
Microsoftは米現地時間8月28日、新しい「Excel」関数「XLOOKUP」を発表しました。
「XLOOKUP」は「VLOOKUP」や「HLOOKUP」の後継となる関数で、現在「Office Insiders」でテスト可能となっています。一般公開は今年後半が予定されています。
「VLOOKUP」はテーブルを縦方向に検索し、特定のデータに対応する値を取り出す関数です。逆に、横方向に検索するのが「HLOOKUP」関数となります。
「VLOOKUP」や「HLOOKUP」はExcelの初期リリースから搭載されていて、「SUM」や「AVERAGE」に続き、3番目に使用頻度が高いと言われている基本的な関数となります。
しかしこの「VLOOKUP」関数にはいくつかの弱点も指摘されていました。まず4番目の引数の初期値が「TRUE」(近似値の検索)になっている点が挙げられます。
「VLOOKUP」を利用する場合「完全一致」で値を検索することが多いため、4番目の引数は「TRUE」から「FALSE」に変更するべきだとする初心者向けのマニュアルが多く仕様・設計の古さゆえの問題が少なくありません。
常に検索範囲の一番左側を検索する仕様のためその左側の列を返すことができない点、近似値の検索ではあらかじめデータを昇順に並び替えておく必要がある点、第3引数(列番号)を数値で指定するため列の挿入・削除に弱い点などが挙げられています。
新しい「XLOOKUP」は、縦方向・横方向の検索両方を1つの関数でカバーしていて、基本的には引数を3つ指定するだけで多くのニーズに対応できる仕組みとなっています。
「XLOOKUP」は現在ベータ版の機能であり、 「Office insider」の一部のみが利用できます。今後数ヶ月にわたって最適化を行い「XLOOKUP」の準備ができれば全ての「Office Insider」と「office 365」サブスクライバーにリリースされる予定です。
新しい関数「XLOOKUP」のメリット
現在「Office Insiders」でテスト使用可能な「XLOOKUP」は、第2引数で検索列から結果列までを選択する「VLOOKUP」や「HLOOKUP」と異なっていて、余計な列を選択せずに済み不必要な計算を避けてパフォーマンスを向上させられます。
さらに、第4引数と第5引数で「完全一致」「部分一致」の一致モードと「昇順」「降順」の検索モードを指定することができるようになります。「XLOOKUP」と同じ引数で一致するアイテムのインデックスを返す「XMATCH」関数も搭載されています。
「XLOOKUP」はテーブル内の項目や行ごとの範囲を検索する必要がある場合に特に役立ちます。例えば商品の価格を検索する場合に、その商品番号で検索するか、従業員IDに基づいて従業員名を検索します。
「XLOOKUP」では、戻り値の列がどの側にあるかにかかわらず、検索語を1つの列に表示して別の列の同じ行から結果を返すことができます。
つまりこの例で説明すると、従業員ID番号に基づいて従業員情報を検索すると複数の項目を含む配列を返すことができます。これによって1つの数式で従業員名と部署の両方を返すことができるわけです。
なお「VLOOKUP」や「HLOOKUP」は今後もサポートされますが、「XLOOKUP」の方が使いやすくエラーにもなりにくいので今後は「XLOOKUP」の利用が広がるでしょう。