Googleは「Googleアシスタント」に話しかけた会話など音声の録音を、米Google社外の業務委託者が会話を聞いていたことを認めました。「Googleアシスタント」に録音された音声を米Google社外の業務委託者が聞いていた内容についてご紹介します。
米Googleは現地時間の7月11日、音声アシスタント「Googleアシスタント」に対して話しかけた会話などの音声の録音の一部を、米Google社外の業務委託者の「言語の専門家」が聞き、テキスト化している事実について認める声明をだしたとされています。
米Googleによると、会話などを社外の業務委託者である「言語の専門家」が聞き、一部テキスト化している音声は、アカウントと紐づけはされていないとしています。
米Googleは、業務委託者である「言語の専門家」に会話を聞かせる目的について、サービスの品質向上のためだとしています。
米Googleが社外業務委託者である「言語の専門家」がホームアシスタントの会話など録音データの一部を聞いていたことを認めることになった経緯について確認していきましょう。
これまで、Googleは、Googleアシスタントへの会話音声入力を録音し、サーバに保存している件についてヘルプページなどでユーザーにも公表されており、会話などの録音機能を「マイアカウント」経由で削除することも可能だと説明していました。
ですが、録音されたGoogleアシスタントの会話などの音声について、ユーザーの知らない米Google社外の人間が会話等について聞いていることについては公表していませんでした。
ベルギーのメディア「vrt NWS」が、Googleと契約する業務委託者の1人から入手したという1000件以上の音声データに基づいて報じた記事を公開しました。
「vrt NWS」が報道した記事では、ユーザーの知らない社外業務委託者が会話など録音データの一部を聞いていた内容について、音声内容は匿名化されてはいるものの、個人の住所を話しているものや、寝室での会話なども含まれているとしています。
Googleアシスタントは、「OK Google」や「ねえ、Google」などの呼びかけをきっかけに音声の録音を開始しますが、往々にして、テレビの音声などでウェイクワードと誤認識してしまうことがあります。
Googleアシスタントが誤認識してしまった場合には、ユーザーが知らないうちに会話などを録音していることもあるとのことです。
なお、「Google Home」や「Google Home Mini」の場合、会話など音声録音中はLEDが点灯して録音状態がユーザーに分かるようになっています。
Googleアシスタントでは、録音設定を無効にすることもできるし、録音データは1件単位で削除することも可能となっており、知らない間に録音されている会話などがないか確認することも可能です。
Googleは、ベルギーのメディアvrt NWSが報じた記事を公開した数時間後にこの件について公式ブログで反論を行いました。
Googleは公式ブログで、「より多くの言語での音声技術の開発を目的とする取り組みの一環として、特定言語のニュアンスやアクセントを理解している世界中の言語の専門家と提携している。」と反論しています。
また、「これらの言語専門家はわれわれが言語をより良く理解するために、すべての音声データの約0.2%となる少量のクエリーをレビューし、テキスト化している。」
「少量のクエリーをレビューし、テキスト化を行うプロセスについては、Googleアシスタントのようなサービスを開発するために必要なものだ」と公式ブログにて反論を行っています。
米Amaonも今年4月、業務委託社が同社の音声アシスタント「Alexa」が録音した会話などの音声データを聞いていることを報じられ、この報道を認める声明を公表しています。
Googleは、今回の件に関し、社外業務委託者である「言語専門家」とは厳格な秘密保持契約を結んでおり、今回のように音声データを外部に漏らすような不正行為が二度と起きないようにしていくとしています。