2020年11月11日更新
FilePost・GigaFile便などファイル転送サービスのセキュリティは安全?
FilePostなど大量のデータを転送できるファイル転送サービスは便利なものですが、安全性が気になりますね。ここでは、FilePostやGigaFileなど代表的なファイル転送サービスを紹介しながら、その安全性や注意点を説明します。
目次
ファイル転送サービスとは?
FilePostなどのファイル転送サービスとは、大容量のデータやファイルを送受信できるサービスのことです。特別なソフトを使わず、Webブラウザベースで利用できるのが特徴です。
大量のファイルを他人に送る
ファイル転送サービスとは、Web上にファイルをアップロードし、そのファイルをダウンロードできるページのURLを送信先に送って、ファイルの受け渡しを行うサービスです。FilePostのように、無料で会員登録もせずに利用できるサービスもあります。
メールもファイル転送サービスの一つなのでファイルを添付することはできますが、容量の上限があります。例えば、Gmailでは、送信できる添付ファイルの上限は25MB(受信は50MB)、Yahooメールでは、メール本文とあわせて上限25MBとなっています。
100MBを超す画像ファイルやさらに大きな動画ファイルなど大容量のファイルやファイル数が1000以上あるような大量のファイルを送る場合は、ファイル転送サービスの利用すると便利です。
ファイル転送サービスのメリットは?
ファイル転送サービスは、インターネット上のサーバを利用しますので、複数の人と大量かつ大容量のファイルを簡単にやりとりできるのが大きなメリットです。
容量が大きいファイルを送信できる
大量のファイルや動画などの大容量ファイルを送る場合、複数のファイルを圧縮したり、大容量のファイルを分割してメール1通ずつに添付したりして送信することもできます。
ですが、メールが数十通になったり、受信者が結合作業をしなければならなかったり、難しいこともあります。
FilePostなどのファイル転送サービスは、インターネット上のサーバーにファイルをアップロードするので、大容量データでも相手に気兼ねせずに送ることができます。自分のメールサーバーに負担をかけることもありません。
サービス内容にもよりますが、数GB程度ならそのまま送ることができ、ファイル数は無制限であることも多いです。ファイル転送サービスなら、ファイルの圧縮や分割にかける手間もありません。
複数人に共有できる
動画ファイルなど大容量のファイルは、DVD等に焼いて他の人と受け渡しすることもあるでしょう。でも、渡したい人が複数いる場合には、時間や手間がかかりますね。
インターネットで利用するファイル転送サービスならば、一度に複数の人に受け渡すことができます。また、受取期限を設定し、期限が切れたら受け取りできないというような制限を設けることもできます。
ファイル転送サービスの安全性は?危険性はある?
ファイル転送サービスに限らず、インターネット上でファイルを送受信するのは、どうしても漏洩の危険性はなくなりません。ファイルの暗号化など十分に対策をする必要があります。
ファイル転送サービスには、個人向けの無料サービスと企業・法人向けの有料サービスがあります。
無料のファイル転送サービスの多くは、ファイルをクラウド上にアップロードし、転送する簡単な機能だけです。上長承認機能などのセキュリティ機能は備えていません。ビジネス文書を誰にでも送れる危険性があり、業務で利用するには適さない場合があります。
セキュリティ上安全とは言えない
インターネット上でのファイル送受信は、漏洩やウィルスなどの危険性があり、セキュリティ面での注意が必要です。
受信したファイルをダウンロードしたり、展開したりする際は、送信元をしっかり確認しましょう。必ず、内容の安全性を確認してからダウンロードします。自分がファイルを送信する際は、必ず、送信先の二重チェックやファイル内容の精査します。
特にビジネスでは、情報漏洩が企業の存続を危うくすることもあります。やり取り1つ1つにしっかり注意して、メールやファイル転送サービスを使用してください。
インターネット上でファイルを送受信することは、万が一、そのファイルが流出した場合の責任も発生します。特に重要なファイルは、他の方法で受け渡しをするべきです。
緊急性などで、やむをえない場合は、必ずファイルを暗号化してください。
ファイルの暗号化
ファイルを暗号化し、パスワードをかけることで、ファイルの機密性を高めることができます。万が一、ファイルが流出しても、ファイルの内容を盗み見ることが困難になります。
ファイル転送サービスにアップロードするファイルにパスワードをかけ、送信先にはメールや他の手段でパスワードを伝えます。ダウンロードURLとパスワードは、それぞれ別の手段で送信先に伝えることで、よりファイルの漏洩を防ぐことができます。
ファイル転送サービスには、アップロード時にパスワードをかける機能があるものもあります。FilePostは、ファイル送信フォームに入力した内容をもとに暗号化します。Smart Data便は、アップロード・ダウンロード時に、SSLによる暗号化通信を行っています。
送信先に注意
FilePostなどのファイル転送サービスは、基本的に送信先のメールアドレスを入力し、そのメールアドレスの持ち主に対してのみファイル受信できるようになっています。
よくあるミスとして、アップロード情報の送信先メールアドレスを間違えることがあります。
アップロード情報には、ダウンロードパスワードも記載されています。他の人にアップロード情報が届くとその人がファイルをダウンロードできてしまいます。情報流出の危険性が高くなってしまいます。
メールアドレスはコピー&ペーストで入力し、送信ボタンを押す前に十分に確認するように注意してください。
ファイルを送る時の注意点
企業の機密情報は、許可をとらずに勝手に送信してはいけません。情報によっては、他社に知られると問題となるケースもあります。もしも、送信する必要が生じた時には、どのような目的で、誰に、どのデータを送信するのか、上司に確認してから送信します。
送信先を徹底確認することも大切です。送信先を間違えてしまっては、機密漏えいの危険性が高まります。
万が一に備え、送付するファイルを暗号化し、パスワードをつけるとさらに安全性が高くなります。
ファイルを受け取る時の注意点
ファイル転送サービスやメールでファイルが送信されてきたら、最初に送信者のメールアドレスを確認します。フィッシングなどの手口も巧妙化してきています。しっかりと、確認した上でファイルをダウンロードしてください。
さらに、メールの件名とダウンロードしたファイルの内容の整合性を確認することも大切です。相手方が乗っ取られている危険性もありますので、万が一の場合に備え、ダウンロードしたファイルを展開する際は細心の注意を払ってください。
ファイルの拡張子を確認することも忘れないでください。拡張子(ファイルの末尾)が「.EXE」「.BAT」「.JS」などは、ダブルクリックで勝手にプログラムが実行されてしまう危険性があります。
おすすめファイル転送サービス
ファイル転送サービスのなかから、GigaFile便、FilePost、Smart Data便、宅ファイル便(宅ふぁいる便)のおすすめのサービスをご紹介します。ここでご紹介するのは、無料で利用できるサービスです。
ビジネスでの利用の際には、セキュリティ機能が強化された有料版サービスのご利用をご検討ください。宅ファイル便(宅ふぁいる便)には、有料のビジネス版も用意されています。
GigaFile便
GigaFile便(ギガファイル便)は、その場ですぐに利用できる、ユーザー登録不要のファイル転送サービスです。
100GB以下のファイルならば、個数無制限で同時にアップロードすることができます。アップロードしたファイルは、保存期間を7日間、14日間、21日間から選択することができます。最大30日間保存されます。
保存期間中は、ダウンロードURLとパスワードを知っていれば、いつでもダウンロード可能です。GigaFile便なら、複数の人に大容量ファイルを送信することができます。
FilePost
FilePost(ファイルポスト)は、無料で15ファイル計3GBのファイルの転送が可能です。ファイル保存期間は5日間、ダウンロードは累計6GBまで可能です。
FilePostでは、ファイル送信フォーム(メール表示)に入力された情報をもとに内部の暗号化処理を行います。セキュリティの面から、ファイル送信フォームの入力をおすすめします。
FilePostは、ファイル転送に加え、Webフォルダ(共有フォルダ)やオンラインストレージとしても利用することができます。
Windowsだけでなく、MacOS、AndroidやiPhoneなどのスマートフォン環境でも、FilePostの動作確認がされてます。FilePostは、PCとスマートフォン間のデータ転送手段としても利用できます。
Smart Data便
Smart Data便は、ユーザー登録不要、無料で最大1GBまでのファイルを転送できるサービスです。アップロードしたファイルは、72時間後に削除されます。Smart Data便には、ダウンロードの回数に制限はありません。
Smart Data便では、すべてのアップロード・ダウンロード時に、SSL(256bit)による暗号化通信を行っています。アップロード時に設定する任意のパスワードがないとダウンロードできない仕組みになっています。
Smart Data便では、ダウンロードファイルを中断した場合でも再開することができます。
宅ファイル便
宅ファイル便(宅ふぁいる便)とは、大阪ガスの子会社であるオージス総研が運営しているサービスです。大阪ガス社員用サービスとしてスタートした宅ファイル便でしたが、広く知られるようになり、1999年より一般の方向けにサービス開始しました。
宅ファイル便には、会員登録なし、プレミアム会員、ビジネスプラス会員があります。
宅ファイル便に会員登録しなくても、無料で10ファイル、300MBまで送信できます。保存期間は3日間です。さらに、プレミアム会員に登録すれば、アドレスブック、開封通知、ダウンロード通知、送信履歴などの機能を利用することができます。
ビジネスプラス会員は、月額500円で99ファイル、最大50GBまで送信でき、ファイルの保存期間を1日から10日まで設定できます。パスワード機能やウィルスチェック機能などセキュリティ機能が充実しています。