2019年12月06日更新
「NTFS」と「exFAT」のファイルシステムの違いを解説!
数年前から普及しだしたファイルシステムexFATとNTFSの違いを紹介します!exFAT、NTFSそれぞれのファイルシステムの特徴、メリット、デメリット、対応OS、最大容量など詳細を詳しく解説します。Windows、Macユーザーどちらの方も必見です。
目次
- 1NTFSとexFATのファイルシステムの違い
- ・ファイルシステムとは
- ・1ファイルあたりの最大容量
- ・対応OS
- ・詳細な比較
- 2NTFSとは?
- ・特徴
- ・メリット
- ・デメリット
- 3exFATとは?
- ・特徴
- ・メリット
- ・デメリット
- 4NTFSとexFATのどちらでフォーマットすべきか
- ・Windowsのみで使用するならNTFS
- ・Macとデータ共有するならexFAT
- ・頻繁にディスクやメモリを抜き差しするならexFAT
- 5NTFSのフォーマット方法
- ・新しいボリュームを作成するフォーマット方法
- ・NTFSでフォーマットする手順
- 6exFATのフォーマット方法
- ・exFATでフォーマットする手順
- ・合わせて読みたい!Windowsに関する記事一覧
NTFSとexFATのファイルシステムの違い
NTFSとexFATというファイルシステムをご存知でしょうか?本記事ではファイルシステムNTFSとexFATの特徴、メリット、デメリット、対応OS、最大容量など詳細を詳しく解説します。また、ファイルシステムとはなにかという点についても解説します。
外付けHDDや大容量USBメモリのフォーマット時に指定するファイルシステムに迷っている方はそれぞれの違いを理解して目的に合った正しいファイルシステムを選択できるようにしましょう。
ファイルシステムとは
ファイルシステムとは、コンピュータ上でデータをどのように保存するかということを決定しているシステムの方式のことです。また、ファイルシステムとはOSの機能の一つであり、コンピュータ上でのデータの保管方法や取り出し方などを定めています。
ファイルシステムはOSが提供している機能の一つのため、外付けストレージなどを使う際にはその外付けストレージを使うOSすべてが対応しているファイルシステムを利用する必要があります。
1ファイルあたりの最大容量
ファイルシステムによって1ファイルあたりの最大容量に違いがあります。1ファイルごとの最大容量の違いとは、ファイルシステムによって2GBや4GBまでなど1ファイルに持たせることができる最大容量に差があります。
ただし近年用いられるNTFSやexFATについては最大容量の制限はありません。リムーバブルディスクでは一昔前まではFAT32(1ファイルの最大容量4GB)が多用されていたため大容量ファイルのやり取りに苦労した方も多いかと思います。
1ファイルあたりの最大容量により発生した問題
このファイルシステムによる1ファイルあたりの最大容量は私達の生活の中でもいくつかの問題がを引き起こしました。身近な例としてはデジタルカメラやビデオカメラで動画を撮影した際にファイルが分割されることです。
多くのデジタルカメラやビデオカメラでは動画を連続撮影した際に、2GBまたは4GBでファイルが分割されています。これは殆どのSDカードに利用されているファイルシステムやカメラ本体のファイルシステムがFAT32やFAT16であることが原因です。
カメラの高画素化、高ビットレート化が進むにつれて、動画撮影時にこれらのファイルシステムの1ファイルの最大容量の制約を受けたため、動画ファイルが分割されるよになりました。メーカーによっては最大容量に達すると録画停止します。
ただし、デジタルカメラに多い撮影時間が29分までになっている件については別の理由があります。それはデジタルカメラを輸出入する際に30分以上録画できてしまうとEUではビデオカメラとしての関税がかかっていたためです。
そのため、メーカーはデジタルカメラにかかる関税を回避するために29分までの録画制限を設けました。よって、29分制限についてはファイルシステムは関係ありません。
ただし、この制限についても2019年2月1日に日欧EPAが発行されて関税が撤廃されましたので、今後はファイルシステムに制限は受けながらも30分以上録画が可能なデジタルカメラが発売されることが期待されます。
対応OS
前述の通りファイルシステムはファイルの保管方法、取り出し方法を提供するOSの機能の一部です。そのため、ファイルシステムごとに対応OSに違いがあります。
特に外付けストレージをフォーマットする際にはファイルシステムに気をつけてその外付けストレージを利用するすべてのOSで利用できるファイルシステムを選択しなければいけません。一般的にNTFSの対応OSはWindowsで、MacはHFS+です。
詳細な比較
ファイルシステムであるNTFSとexFAT、FAT32ファイルシステムについてそれぞれの機能の違いや1ファイルの最大容量対応OS、特徴を詳細な表で詳細をご紹介します。FAT32とは一昔前までは主流だったファイルシステムです。
ファイルシステムにおけるFATとは、File Allocation Tableの意味であり、MS-DOSのファイルシステムのことです。また、FATにはこれからご紹介するexFAT以外にもFAT12,FAT16,VFAT,FAT32など様々なFATファイルシステムが存在します。
FATファイルシステムの歴史は非常に長いためFATファイルシステムの詳細をすべて解説することはできません。本記事ではexFATの詳細をメインに解説しますが、一部、ファイルシステムの違い・詳細説明に必要ですのでFAT32の詳細も表に入れています。
ファイルシステム | NTFS | exFAT | FAT32 |
1ファイルの最大容量 | 最大容量に制限なし | 最大容量に制限なし | 4GB |
対応OS-Windows | 対応 | 対応 | 対応 |
対応OS-Mac | △(読み込みのみ可能な場合が多い) | 対応 | 対応 |
NTFSとは?
Windowsにおける主要なファイルシステムであるNTFSの詳細についてご紹介します。現在Windowsコンピュータで内蔵されている殆どのストレージのフォーマットはNTFSです。また、外付けストレージにおいてもNTFSのものが多く存在します。
NTFSはWindowsユーザにとっては非常に需要なファイルシステムであり、現在ではWindowsだけでなくLinux系OSからも読み取りが可能になっています。WindowsNT系以外でも専用ドライバを用いることで利用できる対応OSが多くなります。
特徴
NTFSの特徴はなんと言っても、WindowsNT系のデフォルトファイルシステムであることです。WindowsNT系OSは世界中のOSの中でもトップシェアを占めています。そのため、NTFSファイルシステムは非常に多くのコンピュータで利用可能です。
メリット
ファイルシステムNTFSを利用するメリットとは、NTFSファイルシステムであればWindowsNT系すべての対応OSで読み書きが可能であるということです。また、NTFSファイルシステムは、障害発生時の障害耐性に優れています。
NTFSファイルシステムは、発生した不良セクタを動的に認識でき、認識後はそのセクタを含むクラスタについてアクセスは別のクラスタを利用するようになります。ただし、冗長性がなかった場合は失われた不良セクタのデータは回復できません。
デメリット
NTFSファイルシステムのデメリットとは、WindowsNT系以外のOSからのアクセスに対して制限が発生することです。NTFSの対応OSはWindowsNT系のためそれ以外のOSからアクセスすると読み込みしかできなかったり表示すらされない可能性があります。
ただし、MacOSやLinuxでは「mount -t ntfs」コマンドを用いてNTFSファイルシステムのストレージをマウントすることにより読み取りが可能になります。また、NTFSアクセスドライバを別途導入することによりNTFSの読み書きが可能になります。
exFATとは?
exFATについて詳細をご紹介します。exFATとはNTFSとは異なるファイルシステムです。また、同じFATファイルシステムでもFAT16やFAT32とは、最大容量や対応OSが異なる違いがあります。exFATのメリットとデメリットの詳細を説明します。
特徴
exFATの特徴は開発した企業がマイクロソフトだということです。マイクロソフトはexFATを主にフラッシュドライブでの利用を目的として開発しました。
また、exFATとはExtended FATの略であり、名前からも分かるようにFATファイルシステムの後継です。
また、特徴としては比較的最近開発されたファイルシステムのため今までのファイルシステムではデメリットである特徴として紹介されていた特徴を多く解消していることがexFATの特徴です。この特徴を理解するとファイルシステム選びを行いやすいです。
メリット
exFATは従来のFATと比較して非常に多くのメリットがあります。まず、exFATには事実上の1ファイルの最大容量はありません。(一応、理論上の最大容量は16EiBとされています)また、1つのディレクトリで1000以上のファイルをサポートしています。
また、exFATのファイル構造はオーバヘッドの関係でNTFSファイルシステムでは適さないリムーバブルディスクでの利用に適しています。そのため、大容量のSDXCカードなどで利用されています。
対応OSについては、MacOSについてもexFATに対応しています。Mac OSではMAC OS X v10.6.5以降で標準で利用可能なファイルシステムとなります。WindowsはXPとWindows Server2003に更新プログラムを当てたときから対応しています。
Androidにもおすすめ
AndroidはexFATに対応しています。Andoroidは大容量SDカード(SD XCカード)が利用できますので、大容量SDカードをexFATでフォーマットしておけばAndroidで4GBを超えるファイルを扱えるようになります。
そのため、isoファイル等大容量ファイルをAndroidの特徴を生かしてSDカードから直接読み出すことができます。AndroidはSDカードを利用できますのでその特徴を生かして大容量SDカードで大容量ファイルを活かしましょう。
近年は256GB程度のSDカードでも非常に安価に購入できます。Androidをご利用の方々はぜひ大容量SDカードを利用して大容量ファイルをスマホで扱いましょう。
デメリット
exFATのデメリットとは、対応OSに古いOSが含まれないことです。メリットで紹介したとおり、WindowsではXP、Server2003の更新プログラムを当てた以降、Mac OSは X v10.6.5ですのでそれより前のOSでは利用できません。
また、一昔前のMP3プレーヤーやドライブレコーダーなどはファイルシステムがFAT32で開発されています。そのためそれらの機器ではexFATフォーマットのストレージデバイスは利用できません。
WindowsXPでは更新プログラムによりexFATが利用可能ですが、exFATファイルシステムのドライブをブートドライブ(システムドライブ)にすることはできません。そのため、XPではNTFSのドライブにOSをインストールする必要があります。
MacOSのデフォルトのファイルシステムはexFAT?
exFATのメリット、デメリットをご紹介しました。ここまで読まれた方ならばMacOSのデフォルトのファイルシステムはexFATかと思う方も多いかと思います。ですが、MacOSのデフォルトのファイルシステムはexFATではありません。
MacOSのデフォルトのファイルシステムはHFSまたはHFS Plusというファイルシステムになります。HFSはアップルにより開発されたファイルシステムであり、以前のMacOSではデフォルトのファイルシステムとして利用されてきました。
しかし、時代の流れに伴いHFSでは対応しきれない処理などが出て来たため、HFSの後継としてHFS Plusというファイルシステムがアップルにより開発されました。現在のMacOSではHFS Plusがデフォルトで利用されています。
HFSはClassic Mac OSとMac OS X v10.5までのMac OSで利用できましたが、Mac OS X v10.6以降のデフォルトファイルシステムはHFS Plusとなりました。また、macOS Sierraからは完全にサポートが終了してHFSは利用できなくなりました。
ただし、Mac OS X v10.6以降のMac OSでは読み込みのみ可能です。そのため、HFSファイルシステムの起動ディスクや新しいボリュームの作成、ファイルの書き込みは一切できません。
NTFSとexFATのどちらでフォーマットすべきか
NTFS、exFATどちらのファイルシステムでフォーマットするべきか、メリット・デメリットや特徴、それぞれの違いを交えながら詳細を解説します。前述の通りの、メリット・デメリットを参考にしながらそれぞれの違いを理解してください。
Windowsのみで使用するならNTFS
Windowsのみで利用するストレージデバイスをフォーマットする際にはNTFSを利用するのが良いでしょう。Windowsだけで利用するのであれば、NTFSを利用するデメリットは特に有りません。NTFSのデメリットはWindows以外で利用しづらいことです。
また、古いWindowsで4GB以上のファイルを扱いたいときもNTFSを利用する必要があります。この場合もデメリットは特になく、古いWindowsで主流のFAT32と最大容量が違いを比べても1ファイルの最大容量がなくなるのでおすすめです。
Macとデータ共有するならexFAT
Macとデータを外付けストレージ経由で共有するならばexFATを利用すると良いでしょう。この場合、NTFSだとMacで読み書きできないというデメリットがありますが、最近のMacであればexFATであれば読み書きが可能です。
頻繁にディスクやメモリを抜き差しするならexFAT
頻繁にディスクやメモリを抜き差しするならexFATをおすすめします。exFATが利用しているファイル格納構造がリムーバブルディスクのホットスワップ(活線挿抜)を行なう場合に向いているからです。
NTFSのデメリットであまり有名ではありませんが、リムーバブルディスクのホットスワップ(活線挿抜)を安全な取り外しなどの操作なしに行なうとファイルシステムやファイルの破損に繋がりやすい事が挙げられます。
そのため、ファイル格納構造の違いによりリムーバブルディスクのホットスワップ(活線挿抜)を頻繁に行なうデバイスではexFATの利用をおすすめします。
ホットスワップ(活線挿抜)、頻繁なディスク・デバイスの挿抜について
電源を通電した状態でUSBメモリやSDカードなど周辺機器や、対応した内蔵ストレージなどを取り外すことをホットスワップ(活線挿抜)といいます。exFATはNTFSよりファイル格納構造的にホットスワップ(活線挿抜)に耐性があると前述しました。
ですが、耐性はありますがホットスワップ(活線挿抜)できるかどうかは接続されているデバイスの規格に依存します。また、本来USBメモリはホットスワップ(活線挿抜)可能なデバイスとして位置づけれれていますが、実際にはデータ破損に繋がることもあります。
Windowsにはホットスワップ(活線挿抜)によるデータの破損を防ぐためにデバイスの安全な取り外しという操作があります。これを行なうことによりホットスワップ(活線挿抜)を行ってもデータの破損を防げるので積極的に利用しましょう。
NTFSのフォーマット方法
NTFSのフォーマット方法をご紹介します。NTFSのフォーマットについては内蔵ストレージを増設する際などに新規でボリュームを追加(フォーマット)することも多い操作ですのでその方法も合わせてご紹介します。
新しく購入した内蔵HDDやSSDは本項の新しいボリュームを作成(フォーマット)を行わなければ利用することができません。
新しいボリュームを作成するフォーマット方法
まだフォーマットされていないストレージを接続した場合にはディスクの管理からフォーマットを行います。はじめにスタートボタンを右クリックしてください。
スタートボタンを右クリックしてディスクの管理をクリックします。
新しく接続したストレージや新しく作成した未割り当てのボリュームを右クリックしてください。
新しいシンプルボリュームをクリックします。
新しいシンプルボリュームの作成ウィザードが開くので次へをクリックします。
新しいシンプルボリュームに割り当てるサイズを指定して次へをクリックします。
新しいシンプルボリュームに割り当てるドライブレターを指定して次へをクリックします。
フォーマットを行う際の設定を行います。ファイルシステムがNTFSになっていることを確認して、次へをクリックします。
新しいシンプルボリュームのNTFSフォーマットが完了したら、完了をクリックします。
ディスクの管理から今作成したNTFSドライブが確認できます。
NTFSでフォーマットする手順
USBメモリなどを手軽にNTFSフォーマットするにはこちらを使います。まずPC(マイコンピュータ)を開いてフォーマットしたいデバイスを右クリックしてください。
フォーマットをクリックします。
ファイルシステムをクリックします。
ファイルシステムの選択からNTFSをクリックします。
ファイルシステムにNTFSが指定されているのを確認して、開始をクリックします。
exFATのフォーマット方法
exFATのフォーマット方法をご紹介します。ファイルシステムをクリックするところまでは、「NTFSでフォーマットする手順」と同じなのでその部分までは「NTFSでフォーマットする手順」をご覧ください。
exFATでフォーマットする手順
exFATでフォーマットするには、フォーマットダイアログのファイルシステムをクリックします。
exFATを選択します。
ファイルシステムにexFATが指定されていることを確認して開始をクリックします。
完了するとディスクの管理でいまフォーマットしたデバイスがexFATになっていることを確認できます。