「NTFS」と「FAT32」の違いを詳しく解説!
皆さんNTFSとFAT32の違いをご存知ですか?形式の違いよって最大ファイルサイズやファイルシステムの安全性、機能、耐障害性は大きな違いが生まれてきます。本記事ではそんなNTFSとFAT32の違いをご紹介していきたいと思います。
目次
NTFSとは?
皆さんNTFSとFAT32の違いをご存知ですか?NTFS形式かFAT32形式かの違いよって最大ファイルサイズやファイルシステムの安全性、機能、耐障害性は大きな違いが生まれてきます。なぜ形式の違いによってここまで違いがでるかご存知ですか?
本記事ではそんなNTFS形式かFAT32形式かの違いよって最大ファイルサイズやファイルシステムの安全性、機能、耐障害性は大きな違いが生まれるNTFSとFAT32の違いを知識がある人向けにご紹介していきたいと思います。
本章ではまず始めにNTFSについてご紹介していきたいと思います。
機能の特徴
NTFSとはNT File Systemの略となっています。まずこのNTとは何かをご紹介します。このNTとはWindows NTのNTから来ています。Windows NTとはWindowsの系統の1つのことで、DOS系や9x系と並ぶNT系のものになっています。
NTFSにフォーマットされたボリュームはまず始めにMTF(Master File Table)という領域が配置されます。このMTFにはメタファイル群と書くファイル/フォルダのレコードが入っています。通常このMFTは空き容量の12.5%が予約されています。
各ファイル/フォルダの構造もMFTに1Kbyte長のレコードがあり、1ファイル1コードになっています。そして、この各レコードにはファイルの属性情報も入っており、$がつくためメタファイルと混合しやすいのでご注意ください。
この属性情報には12種類があり、ファイル名やファイルの識別子、アクセス権や書きこまれた内容を保存する属性タグがあります。Linuxのファイルシステムではデータと属性は区別されますが、NTFSではデータは属性の1つだとされています。
そのため、先述したように属性の中に($DATA)という属性が存在します。タイプは0x80となっています。一般的なファイルでは主に4つの属性を見ることができるようになっています。
その4つとは($STANDARD_INFORMATION)、($FILE_NAME)、($OBJECT_ID)、($DATA)です。これはタイムスタンプ等の属性、ファイル名の属性、ファイルの識別子の属性、ファイルに書き込まれたデータ本体の属性となっています。
長所
NTFSの長所として、現在主流のファイルシステムだということもあり多くの改修がされています。そのため、非常に高性能なファイルシステムになっています。
例えば、最大2TBのドライブサイズや最大16TBのファイルサイズを管理可能であるということや、圧縮・暗号化機能もあるため、安全性も向上しています。
そのため、NTFSはあらゆる問題を解決しているため基本的に最大ファイルサイズが比較的大きく、圧縮・暗号化機能もあるため、安全性・耐障害性が増しています。
短所
NTFSの短所はありません。最大ファイルサイズが拡充されたことや、圧縮・暗号化機能が追加され安全性・耐障害性が増したことなど基本的には全ていい改善になってるためです。
FAT32とは?
前章ではNTFSについてご紹介しました。これでNTFSとはWindows NT系のファイルシステムであり、最大ファイルサイズの拡充や圧縮・暗号化機能による安全性・耐障害性が強化されているということをご理解頂けたかと思います。
次に本章ではNTFSとFAT32の違いを比較するためにFAT32についてご紹介していきたいと思います。
機能の特徴
このFAT32を説明するためには、まずFATについてご紹介しなければいけません。FATとはWindows 9x系で使われているファイルシステムのことを指しています。FATとはFile Allocation Tableの略となっています。
このFAT32はFATの32bitだからFAT32となっており、ファイルシステムの遷移としてはFAT16、FAT32、NTFSとなっています。そのため、NTFSと比較して機能的には落ちる場合が多くなっています。
FATの仕様として、最大ドライブサイズは2TB、最大ファイルサイズは4GBまでとなっており、最大ファイル名の長さは255文字までで圧縮・暗号化機能はないため、安全性はあまりありません。
このFATの仕組みとして、まずFATファイルシステムは論理ボリュームと呼び、この論理ボリュームは3つか4つの領域で構成されており、各領域が1つ以上のセクタで構成されています。
また、この論理ボリュームは予約領域、FAT領域、ルートディレクトリ領域、データ領域の順で配置されています。またこのボリュームはBPB(BIOS Parameter Block)で様々なパラメータが記憶されています。
長所
FAT32の長所として、NTFSと比較してクラスタサイズが小さいため効率よく容量を利用することができます。
短所
FAT32の短所として、NTFSと比較して最大ファイルサイズが小さいことや圧縮・暗号化機能がないため安全性に優れておらず、また耐障害性も低いです。
それだけでなく、先述した通りFAT32はWindows 9x系で使われているファイルシステムのため、Windows NT系つまり現在主流のWindowsでは利用することができません。
NTFS形式とFAT32形式の比較
前章ではFAT32についてご紹介しました。これでFAT32とはFAT16とNTFSの間にできたファイルシステムであり、NTFSと比較して最大ファイルサイズが小さいことや、圧縮・暗号化機能がないため、安全性や耐障害性が低いことをご理解頂けたかと思います。
前章まででNTFS形式とFAT32形式のご紹介をしたため、違いはご理解頂けたかと思います。しかし、明確に比較したわけではないので、分かりにくいと場合もあると思います。そこで本章からはNTFS形式かFAT32形式の比較を行っていきたいと思います。
本章ではまず始めにNTFS形式かFAT32形式の比較をご紹介していきたいと思います。
ファイルシステムによる機能の違い
NTFS形式かFAT32形式の比較として、ファイルシステムの違いによる機能の違いがあります。それは先述した通りになっています。しかし、源流はFAT32の方にあり、NTFSはFAT32をより最適化・改善されているものになっています。
そのため、FAT32とNTFSを比較した場合、基本的にはNTFSの方が性能はいいです。唯一FAT32の方がNTFSを比較してクラスタサイズが小さいため、効率よく容量を利用できるようになっています。
NTFS形式とFAT32形式の違い〜最大ファイルサイズ〜
前章ではNTFS形式とFAT32形式の比較を行いました。基本的には1章と2章でご紹介したNTFS形式とFAT32形式の説明通りです。NTFS形式の方がFTA32と比較して高性能であるということをご理解頂けたかと思います。
本章まででNTFS形式とFAT32形式を違いをご紹介しました。これでほとんどの方がNTFS形式とFAT32形式の違いについてはご理解頂けたかと思います。本章からは復習の意味で同じことになるため、ご注意ください。
本章ではまずNTFS形式とFAT32形式の違いの復習として、最大ファイルサイズの違いをご紹介していきたいと思います。
NTFSは16TB
NTFSの最大ファイルサイズは先述の通り16TBとなっています。そのため、多くの場合は最大ファイルサイズの16TBを超えないため、ほぼ最大ファイルサイズ制限はなくなったと考えてもいいかと思います。
FAT32は4GB
FAT32の最大ファイルサイズは先述の通り4GBとなっています。そのため、重たいファイルが出来た場合、最大ファイルサイズを超えてしまうかもしれません。なので、FAT32を使う場合は、注意する必要があります。
NTFS形式とFAT32形式の違い〜耐障害性〜
前章ではNTFS形式とFAT32形式の違いの中でも最大ファイルサイズについてご紹介しました。NTFS形式は16TB、FAT32形式は4GBの最大ファイルサイズ制限があるということをご理解頂けたかと思います。
前章の内容だけでもFAT32とNTFSを比較すると、NTFSの方が利便性が高くなっている事をご理解頂けると思います。更に本章移行ではNTFSの利便性を増している機能をご紹介します。
本章ではNTFS形式とFAT32形式の違いの復習として耐障害性についてご紹介していきたいと思います。
NTFSは障害に強い
NTFSは耐障害性はがあるということを先述しました。これはジャーナリングファイルシステムという機能を用いており、何かの障害が発生してもデータの不具合が起こりにくいという状態になっているため、耐障害性が高くなっています。
FAT32は障害に弱い
FAT32は耐障害性はあまりないということを先述しました。そのため、想定外の障害が発生すると、データの不整合や損失が起こりやすいという状態になっています。
NTFS形式とFAT32形式の違い〜安全性〜
前章ではNTFS形式とFAT32形式の違いとして耐障害性をご紹介しました。NTFS形式はジャーナリングファイルシステムがあるため耐障害性が高いですが、FAT32はそのような機能がないため、耐障害性はあまりないということをご理解頂けたかと思います。
ファイルを使っていて気になる点は耐障害性もあると思いますが、大切なデータを取り扱っている方はより気になる機能があると思います。それはそのファイルがセキュリティ的に安全なのかどうかという安全性だと思います。
最後に本章ではそんなNTFS形式とFAT32形式の違いの復習として安全性についてご紹介していきたいと思います。
NTFSはFAT32よりセキュリティが向上している
安全性としてNTFSの方がFAT32と比較しても優れているということが言えます。これは先述した通りNTFSには暗号化機能がついており、FAT32には残念ながら暗号化機能がないからです。そのため、NTFSの方がセキュリティ性能は向上しています。
なので、大切なデータを取り扱っている人ほど、FAT32よりNTFSの方が使ったほうがセキュリティ的に安心できると思います。
まとめ
本記事ではNTFS形式とFAT32形式の違いについてご紹介しました。NTFS形式とFAT32形式はどちらもWindowsのファイルシステムという意味では同じシステムですが、内容は大きく異なっているため、間違わないようにしてください。
NTFSはWindows NT系によく用いられるファイルシステムで、FAT32より後継のファイルシステムとなっています。そのため、最大ファイルサイズの拡充や暗号化・圧縮、ジャーナリングファイルシステムによる耐障害性などあらゆる面が強化されています。
FAT32はWindows 9x系によく用いられるファイルシステムで、NTFSの前に作られたファイルシステムとなっています。そのため、あらゆる面がNTFSより劣っていますが、クラスタサイズがNTFSより小さいため、容量を効率よく使えます。
皆さんもNTFS形式とFAT32形式の違いについて迷った場合は、是非本記事を参考にNTFS形式とFAT32形式の違いを考えてみてください。